【外出・旅行は?!】超おすすめ 休職中の過ごし方 3ステップ【適応障害】

当記事では適応障害の方へ向けて、おすすめの「正しい休職中の過ごし方」について解説していきます。

休職中、どのように過ごしていいのかわからなくて不安になったり、休んでいること自体に罪悪感を抱いている人も多いのではないでしょうか。

心理カウンセラー渡邊

ぼくも前職で適応障害を発症した時、なんとなく「回復したかな」と思って休職期間を終えたら、復職と休職を3回も繰り返した経験があります

そう、残念ながら「ただ休んでいるだけ」では、復職した後に再発する可能性がけっこう高いんですね。

だからこそ「正しい休職中の過ごし方」を知ることが、とても大切になります。

ぼくは元地方公務員で、適応障害を克服した3年後に心理カウンセラーとして独立しました。

現在は、お仕事の悩みカウンセラーとして、心理カウンセリングを通して復職支援等を行なっていますので、割とリアルな話ができると思います。

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 ▼当記事はこんな人におすすめ▼

・「休職中の正しい過ごし方でおすすめがあれば知りたい」

・「休職中、外出や旅行に自由に行っていいのか知りたい」

こういった疑問に答えていきます。

5分で読み切れるのでぜひ最後までお付き合いください。

ではまず、時期別の「正しい休職中の過ごし方」概要についてご紹介していきます!

休職中 時期別オススメの過ごし方

休職期間は3つの時期に分けて過ごし方を変えていくのがオススメです。

仮に3ヶ月休むとして、最初の1か月を「休養期」、次の1か月を「活動期」、最後の1か月を「復職期」と考えます。

(※どのくらいの期間、どのフェーズにいるかは人によって異なりますので、期間あくまで目安です)

なぜ時期を分けるかというと、「復帰までのステップを間違えると、無理をしてまた休職することになるから」です。

心理カウンセラー渡邊

これは超重要です!!

そもそも、自宅安静をすることの意味ってなんだと思いますか?

ひとつは「回復すること」

もうひとつは「再発しないこと」です。

「とにかく早く復帰すること」ではないことに注意してくださいね。

で、この2つの課題をクリアするにはそれなりの時間がかかります。

心理カウンセラー渡邊

残念ですが、適応障害は風邪と同じように短期間で完治することは少ないです

でも、なぜ長期間の休養が必要なのでしょうか?

理由の1つめは、心と身体の回復には、どうしてもそれなりの時間がかかるからです。

一般的に最低3か月程度(人によっては半年から1年以上)は必要ではないでしょうか。

本人が自覚していないところで、心身に相当な負担がかかっています。

だからこそ会社に行けなくなったんですよね。

理由2つめは、休職期間には、適応障害になった原因と対処方法について学ぶ必要があるからです。

当然ですが、まったく同じ環境や人間関係、対処方法で臨んでも、休職する可能性は極めて高いと思います。

だからせっかくの休職期間に、焦らずに原因と対処方法を考えておきましょう。

そして最後に理由3つめ、職場環境の調整(配置換え、残業なし勤務、業務減など)には時間がかかるからです。

あなたの現在の状況や性質、希望をしっかり伝えた上で、どこまで調整が可能なのか、産業医や人事スタッフ、上司などと相談していく必要があります。

心理カウンセラー渡邊

休職期間に何をやるべきかが明確になってきましたね

でも、これら「回復」と「再発防止」の取り組みを、全部同時に行うのはものすごい負担がかかります。

だからこそ負担を最小限にするために、しっかり順番を守って休職期間を過ごしていく必要があります。

以上が休職期間を時期別に分ける理由になります。

それでは早速、最初の「休養期」について詳しくみていきましょう。

休養期(なにもしない)

休養期のテーマは「ストレスの原因と距離を置き、なにもしない」です。

とてもシンプルでですが、これまでの自分とまったく違う方法を選択しなければいけないと思いますので、実践するのがある意味難しいかもしれません。

なぜ、なにもしていはいけないのか。

その理由は、「無責任になれず、家にいるのに仕事を考えてしまっては、休んだことにならないから」です。

職場からの連絡にいちいち答えるのもNGです。

最低限必要な引き継ぎが終わり次第、業務の連絡や何にしても同僚や上司などとの連絡は一切とらないことを心掛けたいところです。

心理カウンセラー渡邊

もし相手側からしつこく連絡があるなら「心身に影響がある(と主治医医に言われています)ので、仕事の連絡はご遠慮いただけると幸いです」という旨をはっきり伝えてみる方が良いと思います

以下がおすすめです。

  • とにかくなにもしない
  • ぼーっとする
  • 生活リズムも気にしない
  • 寝たいだけ寝る(眠たくないなら寝ない)
  • 怠惰に過ごす
心理カウンセラー渡邊

一言で言えば「自分本位」になることですね

たしかに、自分だけ家にいて、職場の人に申し訳ないという気持ち(罪悪感)が起こるかもしれません。

そのように感じるのは自然なことです。

罪悪感を抱いてもいいんです、大丈夫です。

でも、これまで「他人本位」で生きてきたからこそ、心身に限界が迎えたことを思い出してください。

「甘え」ではなく「回復にとって必要なこと」だと割り切っても、大丈夫です。

あとやってはいけないこともあります!

それは「ニュース」などの「情報」を頭に入れてしまうこと。

これは脳に負担がかかるのでできる限り止めておきましょう。

あと「復職のことについて考える」ことも、今する必要はありません。

仕事や職場のことは1ミリでも考える必要はありません。

それは「復職期」に考える課題ですので後にとっておきましょう。

心理カウンセラー渡邊

ちなみにわたしは適応障害を機に、一切のニュースを見るのをやめました。ニュースはそもそもネガティブなものばかりですし、世の中のニュースの大半は自分に関係ないことがわかりますよ。

というわけで、「ストレスの原因と距離を置き、なにもしない」ことの重要性については、わかっていただけましたでしょうか?

次は、中盤の「活動期」についての解説です!

活動期(少しずつ動きはじめる)

活動期のテーマは、「少しずつ動きはじめる」ことです。

具体的には「体力回復」、「楽しむ」、「適応障害の原因を考える」の3つに分けて考えます。

少しずつ体力を回復する必要があるのは、想像以上に筋力や脳が衰えているから、なんですね。

休養期に、ずっとベッドの上にいる生活をしたり、あまり歩いたりもしないでいたりすると、こうなるのも当然です。

でもまったく問題ありません。

心理カウンセラー渡邊

それが人間というものです!笑

ハードルをものすごく低くして、自分を赤ちゃんだと思って、ゆ〜くり、身体と脳を自然界に慣らしていきましょう。

さて、次は「楽しむ」ことです。

なぜこれが大事なのか?

それは、仕事以外の楽しさや感動といったことが、失われた人生の実感を取り戻すことになるからです。

ぼくが適応障害になったときに読んだ本に、精神科医 泉谷閑示先生の『仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える』(幻冬舎新書)があります。

その本の中で、氏はこのように言っています。

私たち現代人は「 いつでも有意義に過ごすべきだ」と思い込んでいる、一種の「有意義病」にかかっているようなところがあります。

(『仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える』幻冬舎新書 P106)

「意義」 とは、 我々の「頭」の 損得勘定に関係しているものなのですが、 他方の「意味」とは、「心=身体」による感覚や感情の喜びによって捉えられるものであり、そこには「味わう」 というニュアンスが込められています。

(同書 P107)

つまり仕事にとって役立つことを勉強したりすることは、「有意義」なこと、損得勘定に関係していることなんですね。

活動期にする、自分にとっての楽しみは、「損得なしに自分がしたいこと」にしてください。

そしてそれを味わってください。

例えば、歌を歌うことが好きなら、わけもなく大きな声で歌って、その「気持ちよさ」を自分ただ一人で味わってみてください。

それが生の実感を取り戻したり、人生の意味を回復させる唯一の方法かもしれません。

心理カウンセラー渡邊

ぼくは、朝に散歩を10分程しました。すると街中にある木々や花が目に入ってきます。それがとても美しいことに気づくんですね。仕事に追われる日々では決して気づかなかったささやかな感動でした

最後に「適応障害の原因について考える」です。

これも超重要ですね。

苦しく避けたいところではあると思いますが、これをしないと再発する可能性が高まります。

考えるポイントは人間関係や仕事内容、労働環境、自分の内部要因などでしょうか。

心理カウンセラーに相談したり、リワークに通ったりして、まずは自分の心の癖に気づくことが大事です。

心理カウンセラー渡邊

気づかないことには、何事も対処のしようがないですからね

気づいたらそれを変えてもいいし変えなくてもいいのですが、もし自分が心のチューニング(調整)をしてみたいなと思ったら、トレーニングにチャレンジしていきます。

心理カウンセラー渡邊

自分や相手の「善い悪い」という二元論が抜け出し、自分の内部要因について精査する。そして心のチューニングに向かうことは、再発しない上でとても大事な姿勢です

ちょっとだけ、ぼくのこと

ぼくが適応障害を発症しはじめた時期、こどもが小さくて夜泣きがすごかったんです。だから必ず毎晩夜中に目が覚めていました。妻に申し訳なかったし、こどもの世話もせねばと思っていたので、ほぼ毎回起きて対応していました。でも、妻に事情を説明し、夜泣きが起きたときは「交代で対応する」ことにしました。これで睡眠環境はだいぶ改善されました。このような家族との調整は確かに難しさもあります。ただ、胸の内にしまって苦しみ続けるのではなく、相談をしてみて解決策をいっしょに考えることは、とても大切なことだとわかりました。

適応障害の原因を考え、「睡眠の量・質の低下による抑うつへの影響」があると気づき、相談し対処できたケースとして、ご紹介させていただきました。

というわけで、「活動期」は体力回復、楽しむ、適応障害の原因を考えるを意識して、少しずつ動きはじめましょう!

では、最後の「復職期」について見ていきましょう!

復職期(復職に向けて整える)

復職期はその名のとおり「復職に向けて整えていく」時期になります。

まずは「そもそも働きたいかどうか」を確認するところですね。

まだこの心の準備ができていなければ、「休養期」か「活動期」にあると考えていいでしょう。

主治医と相談しながら復職の時期を再検討してください。

心理カウンセラー渡邊

「そろそろ働いてもいいかなと思っているかどうか」が復職期に入ったかどうかのバロメーターです

もし、そろそろ復職してもいいのかな、と思えるようになっていれば、以下を進めていきます。

「生活リズムを取り戻す」、「職場環境調整」、「通勤訓練」の3つです。

「生活のリズムを取り戻す」その理由は、自分の時間ペースから仕事の時間ペースに慣れさせるためです。

当然ですが、会社の出勤時間というのは決まっています。

一旦自分のペースに慣れてしまうと、定刻通りに自分を動かしていくというのは大変しんどい作業です。

そのためには出社を意識して、朝起きたり、昼に活動したり、昼寝を控えたり、夜は決まった時間に寝たり、といったことが必要になってきます。

次の「職場環境調整」は適応障害克服の最大のポイントです。

人間関係や仕事内容が、まったく同じ条件でただ戻れば再発する可能性が高いのは当たり前です。

産業医、人事スタッフ、上司と連携をとり、主治医の意見を踏まえての、「自分の希望」を勇気をもってはっきりと伝えましょう

もちろん、なにもかも自分の理想通りの職場環境になることは現実的ではありません。

その場合にどのような対応が自分がとっていけるのか、このあたりまで事前に考えておく必要があるでしょう。

そして最後に「通勤訓練」です。

往々にして復職前の不安が最大になります。

職場の最寄り駅に行って帰ってくるなどして、自分の心を慣れさせたり、確認することをおすすめします。

心理カウンセラー渡邊

正直ぼくはこれをしていなかったので、復職日当日はゲロ吐きそうな気分でした・・・(苦笑😅)

それから。。。

ちなみに、ぼくは人間関係や仕事内容について、産業医や人事スタッフに正直に伝えました!

と、言いたいところなんですけど、最初は人間関係が気まずくなるのを恐れて言うことができなかったんです。

結果、休職と復職を繰り返してしまったんですね。

でも最終的には勇気を出して正直に伝えることができました。

その結果、人事異動が考慮され異動となり、無事復職できました。

というわけで、最後の「復職期」まで解説してきました。

いかがだったでしょうか?

最後に休職中の「外出や旅行」について、解説したいと思います。

外出、旅行のアリなしについて

結論はシンプルです。

外出も旅行も主治医の診断に基づいて判断する、ということです。

自分で判断しない理由は、回復していたと思っていても思っている以上に疲労が残っていたりするケースがあるからです。

だからこそ医師による客観的な意見が必要となります。

もし外出や旅行が心の回復にとって役立つと認められるのであれば問題ありません

1ヶ月に1度くらいは、受診日があると思いますので、そのタイミングで確認するのがよいでしょう。

心理カウンセラー渡邊

ぼくも1泊2日で旅行に行きましたよ

海外旅行はコロナ禍だったし、自分は考えもしませんでしたが、行けたとしても行ってなかったと思います。

海外旅行に行って、なにかあったときに職場に説明できないと思ったからです。

そういうことは避けました。

またSNSにはアップしないのは、人として当然の配慮ですよね。

見た人がどのように感じてしまうかはわからないような、誤解を生むような発信は最初からしない方が無難です。

いずれにしろ、基本的な考え方は「回復のために役立つことをしている」と、自他ともに認められるかどうかではないでしょうか。

それを基準に、大人としての自覚をもって、常識の範囲で考えましょう。

なお外出についてですが、公務員の方などは、勤務場所が自宅に近く、外出すると同僚に見られるのが気になってしまう方がいるかもしれません。

気にしすぎはよくありませんが、どうしても気になるなら、なるべく平日の昼間とか、違う街に外出するなど、可能な範囲で対応することをオススメします。

まとめ

というわけで、超オススメ 休職中の過ごし方3ステップについて解説してきました。

休職中、どのような過ごし方をすればいいかわからなかった方!

ぜひ今回紹介した3つの時期を意識して休職期間を過ごして、回復と再発防止に取り組んでみてくださいね。

休養期は「なにもしない」をすることを意識して、自分本位にあってください。

そして活動期なったら、体力の回復・楽しむ、適応障害の原因を振り返り、少しずつ動き出してください。

外出や旅行は主治医に確認の上、回復に役立つことであれば罪悪感を感じる必要はありません。

その時をしっかり楽しみましょう。

そして最後、復職期には、生活リズムを取り戻すことや職場環境調整、通勤訓練をしていきましょう。

この記事で、「適応障害で休職中の過ごし方」の全体像が見えてきたかと思います。

ただ、独りで実践するのは不安だという方もいますよね。

自分がどのフェーズにいるのかわからなかったり、適応障害の原因が見えてこなかったり・・・

そんな方はぜひ心理カウンセリングを利用してみてください。

わたしはお仕事の悩みや復職支援を専門としていますので、なにかお役に立てることがあるかもしれません。

下記のリンクからお気軽にご連絡ください。

それでは次回の記事でお会いしましょう。

さようなら。

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